WORKPLACE

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EVIDENCE OFFICE SPACE

EVIDENCE OFFICE SPACE

東急不動産は、緑(植物や自然)が人に与える影響や効果を科学的に検証しました。
さまざまな実験の結果からも、現代のワーカーにとって、
緑は必要不可欠なものであると言えます。

緑の効果検証方法

実証実験概要

目的:植物のある執務スペースで業務を行うことが、生産性やモチベーションの向上に与える影響を検証する/対象者:30名(1グループ6名×5グループ)/日時:5月20日~5月22日 10:30〜16:30/実施場所:東急不動産 南青山オフィス/収集データ:脳波、作業用タスクの回答数や正答率、主観評価(アンケート)/利用機器:感性アナライザ(MindWave Mobile BMD,iPad)/詳細:作業タスク中の脳波測定、および作業後のアンケートを実施する。 緑あり・なしの執務スペースにおいて、 緑がどのような影響を与えるか検証する。

タスク概要

初回のみ、各タスク
ごとに練習問題を行う

感性アナライザ概要

慶應義塾大学満倉教授と電通サイエンスジャムが共同で開発した簡易型脳波測定感性評価キットです。
今までの脳波計測では不可能だった「いつでも・どこでも・誰でも・簡単に」をリアルタイムに実現しました。
今回の検証では、「ストレス度」「集中度」「快適度」「興味度」「わくわく度」に注目しました。

このマークがついているデータは、
感性アナライザにより得られた結果です。

実験プロセス

緑なし/ありの執務スペースで作業タスクを行い、感性アナライザを使ってその間の脳波を計測・調査する。
※1人につき、緑量に応じて2パターンのデータを取得/1条件計測にかかる時間は35~45分程度

実査日程

1グループ6名ずつ、グループ①~⑤の合計30名で調査実施。
1日5グループずつ実験を行い、合計3日間で終了。

実験環境
実験の様子
(東急不動産 南青山オフィス)

実験結果

GREEN ACTION Ⅱ

はたらく人の
ストレスを軽減する

緑のある執務スペースでは、作業開始前のストレス度が12.3%低く、快適度が6.9%高い。

従業員にとって、ストレスが少なく、継続的に従事できる環境を企業が整えることはとても重要です。人材不足の社会の中で、従業員からも選ばれる会社となるためには欠かせない要素であると考えられます。

GREEN ACTION Ⅲ

はたらく人の
ひらめきを生み出す

緑のある執務スペースでは、タイピング時の集中度が高く、作業生産性が高まり、より多くのひらめきをもたらす。

緑の効果によって、従業員一人当たりの生産性が向上することは、企業全体の業務効率の向上につながります。ひいては、企業の売上・収益拡大にも貢献すると考えられます。

GREEN ACTION Ⅴ

はたらく人の
モチベーションを高める

緑のある執務スペースでは、単調作業中の興味度・ワクワク度が緑なしの場合に比べて高く、モチベーション向上につながると考えられる。

働き方改革の中で、一人ひとりがやりがいを持って働くことが課題とされる現代。執務空間の緑化は働く姿勢に作用することから、離職率の低下等にも貢献できる可能性があると考えられます。

P値について
実験で得られた2条件の差について、P値が10%以下(P<0.1)の場合、有意傾向があると言え、P値が5%以下 (P<0.05) の場合は有意な差と言える。

オフィスの働き方改革は、緑から。
仕事の生産性だけでなく、やる気を高め、
働きやすさを実現する緑の価値に再注目。

既存のオフィスにおいて、初めからオフィス全体を緑化することはなかなか取り組み難いものです。しかし、今回の実験で、卓上のみの緑化を行った状況でも、働く人にさまざまな良い影響を与えることがわかりました。

例えば、仕事の生産性です。一部を緑化した環境では、集中度と作業の正確性が高まりました。一人ひとりの従業員の生産性向上によって、企業の売上アップにも期待できます。それだけではなく、作業に対する興味度やワクワク度も高まっていたことに注目すべきでしょう。効率が改善されるだけではなく、本人が主体的に作業に取り組めるということは、仕事に対するやる気アップや離職率の低下にもつながるはずです。

そして、労働時間の長期化で問題視されがちな精神的な負荷や目の負担においても、主観的な評価で改善が見られました。人生100年時代と言われる昨今、働き続けやすい環境を実現することは、人手不足が進む日本においてますます重要な要素となっていくでしょう。これからは働く人からも選ばれる会社であるために、意外に知られていない緑の価値にもう一度注目していただければと思います。

実証実験監修

脳波研究のスペシャリスト

満倉 靖恵

Yasue Mistukura

慶應義塾大学理工学部
システムデザイン工学科 教授・博士(工学・医学)
電通サイエンスジャムCTO

専門領域:生体信号処理、脳波解析、画像意味解析、脳神経科学、精神神経科学領域

【研究内容】

信号処理、機械学習、パターン認識、人工知能、統計処理などの技術を用いて、生体信号や音声、画像から必要な情報を抽出する研究に従事。17年以上の年月を重ね、脳波から感性を把握するアルゴリズムを開発。

【監修実績】

シャープ株式会社、株式会社ブリヂストン 他多数。

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